木材利用について 小学生が学びに来ました!

 10月4日 北信木材センターにて、
信州大学教育学部附属長野小学校6年生による校外学習が行われました。
テーマは、【北信地域の林業と木材の利用や環境とのつながりに触れる学習】です。

担任の先生から、これまでの学習の様子を伺いました。

 昨年度から森林学習を行ってきた子どもたち。しかし、林業の現状を調べてきた子どもたちは、「手入れができない森林が増えているのは調べて分かったけど、実際はどうなっているんだろう?」「私たちの身近な森林の現状を知りたい」「伐る・使う・植えるという森林のサイクルの中で、自分たちには何ができるのだろうか」と、森林を手入れすることの大切さやその現状を伝えていくためには、まず自分たちが森林のために仕事をしている方々と出会い、その目で確かめ、お話を聞きたいという願いをもっている。

 

■今回の校外学習は、宮澤木材産業株式会社様へ行った後、北信木材センターでの学習コースとなっています。
北信木材センター到着後、まずは会議室で、所長の小池より木材センター等のお話をしました。

北信木材センター所長からのお話
サクラの木工品に触れる子どもたち
熱心に話をきいています

■次に、子どもたちからの質問タイムです。
多くの質問が【安全なベンチ作りについて】でした。
子どもたちは、ベンチ作りを行うことにより、地域の人々に森林について考えてもらいたいと願っているようです。
沢山の人がベンチに座って、自分たちの活動を知ってもらい、木材利用を実感してもらうために、安全なベンチ作りを考えています。

活発に質問しています

安全なベンチを作り
多くの人たちに
自分たちの活動を知ってもらいたい

安全なベンチにするには
どうしたら良いですか?
なぜ信州産を取り扱っているのですか?
木材を購入されてく
会社は何社くらいですか?
ベンチ作りにはスギ・カラマツ
どちらが適していますか?

その他の質問のご紹介

  • どんな木が、人気がありますか?
  • 木の値段は、どれくらいですか?丸太1本は、どれくらいの値段ですか?
  • どんな人が、木を買いに来ているんですか?
  • 子どもたちは、「もし、私たちが木を使うことが森林のためになるのだとしたら、県産木材の利用を積極的に行っていき、環境を守る森林の整備のために私たちができることをしたい」そんな願いを持っていました。

    ベンチ作りには、信州に多く植えられているカラマツやスギを使いたいという子どもたち。

    カラマツは、強度はあるがヤニが多い。

    スギは、少しやわらかいが木目はやさしい。

    今回のベンチ作りでは、北信地域に多く生育されているスギを使って作ることにしました。

     

    ■次は、木材に触れながら話を行うために、土場へ移動しました。
    土場には、スギ、カラマツ、ヒノキ、ケヤキ、カキ、サクラ、クリ、クルミ、カンバ、ブナ、ナラ・・・
    いろいろな種類の木材が並んでいます。木の種類によって、樹皮やにおいが違うことを説明しました。

    広葉樹 樹皮の違いについての説明しています
    におい、樹皮の違いを比べています
    木に触れて、感触を感じています
    丸太の体積(材積)の測り方を説明しています

     山から出てきた木材の値段は、材積をもとに計算しています。

     材積の出し方は、長さと末口(丸太の細い方)の最小径で計算します。

     

    ■次は、自動選別機の紹介です。
    自動選別機は、丸太を、真っ直ぐなもの、曲がっているもの、大きさ別に仕分けし、材積計算ができる機械です。
    仮に、長さ4m×直径16㎝の木材で考えると、1日で2,000本の丸太を選別する処理能力があることを説明すると、子どもたちは、とても驚いていました。

    同じ規格の木材が
    指定したポケットに落とされる仕組みになっています
    仕分けられた木材を
    フォークリフトで運んでいるところです

     今回の校外学習を終えて、子どもたちはどのように感じたのか、教えていただきました。

    一部をご紹介いたします。

  • 今回見学したことで一番嬉しかったことは「森林を守りたい」「木が好き」という方々に出会えたことです。北信木材センターさんに行ってみると、本当にたくさんの木があってびっくりしました。木の見分け方やどこに木材がいっているのか分かって良かったです。見た限りでは木材はものすごく沢山あって、十分足りていそうなのに、ウッドショックということもあり、木材の需要と供給はなんだか難しいなと感じました。
  • 北信木材センターさんでは、「木の可能性を探しながらやっている」とおっしゃっていました。僕たちもただベンチづくりをするのではなく、自分達で木の可能性を探しながらこれからの活動に取り組んでいきたいです。今日のことが一人でも多くの人に伝えられるように、見学で学んだことをまとめていきたいです。
  • お山の発電所や北信木材センターのことはインターネットなどで知っていましたが、やっぱり実際に行って実感することはとても大切だと思いました。自分達はこれまでいろいろな木でものづくりをしてきたけど、その材料となる木がどうやって自分達の手元まで届いているのか分かったし、自分達の使っている木の裏側を知ることができて、そのありがたみが分かりました。
  •  

    ■子どもたちの教室では、こんな授業が行われているようです。
    子どもたちの真剣さが伝わってきます。

    ■今回さらに学びを深めた子供たちは、どんな活動をしていくのか?これからが楽しみです。
    熱心な質問に答えて行く中で、林業に携わる私たちも何ができるのか、考えさせられた校外学習となりました。
    魅力ある山づくりに貢献していきたいと感じました。